PwCコンサルティングの急成長を支える要素とは?

企業インタビュー

今回は、PwCコンサルティング合同会社、足立晋代表執行役CEO、豊國成康パートナーに、PwCコンサルティングの歴史とこれからのビジョン、組織、採用についてビジネス面から率直なお話を伺うことができました。

ご経歴

足立 晋(Adachi Susumu) 様
Consulting Leader/PwCコンサルティング合同会社 代表執行役CEO パートナー

大手金融機関、国際会計事務所系コンサルティング会社を経て、2006年にベリングポイント株式会社マネージングディレクターに就任。2009年、同社のPwCネットワークへの加入と社名変更に伴い、プライスウォーターハウスクーパース コンサルタント株式会社パートナーおよび金融サービス事業部リーダーに就任。2010年にはプライスウォーターハウスクーパース株式会社の金融サービス事業部リーダーに就任。2011年から2年間のPwC米国法人ニューヨーク事務所金融サービス部門への出向を経て、2016年7月より、PwCコンサルティング合同会社の代表執行役CEOに就任し、現在に至る。10年以上に及ぶ金融機関での経験をベースに、コンサルティング業務においては、銀行、証券、保険、総合商社、製造業などの幅広いクライアントに対し、グローバル規模でのPMO(Program/Project Management)支援をはじめ、PMI(Post Merger Integration:経営統合)、業務プロセス改革、大規模システム導入PMO支援、グローバル・リスクマネジメント・プログラム導入支援、グローバル業績評価導入支援など、多岐にわたるサービスを提供した実績を有す。

豊國 成康(Toyokuni Nariyasu) 様
Consulting Experienced Recruiting Leader/パートナー

日系大手会計事務所系コンサルティング会社を経て、2005年にベリングポイント株式会社マネージングディレクターに就任。2009年、同社のPwCネットワークへの加入と社名変更に伴い、プライスウォーターハウスクーパース コンサルタント株式会社パートナーに就任。2011年にはプライスウォーターハウスクーパース株式会社の経営管理・会計コンサルティング部門(Finance & Accounting)リーダーに就任し、2012年からは組織人事・チェンジマネジメントコンサルティング部門(People & Change)リーダーを兼務する。現在はTRM(Total Resource Management)、中途採用、マーケティング&リサーチ・ナレッジマネジメントの各コーポレート機能チームリーダーを兼務する。30年以上に渡るコンサルティング業務においては、株式公開対応や業務効率化を狙ったBPR(Business Process Re-engineering)、ERP(Enterprise Resources Planning)導入案件を多数手掛け数多くの大規模プロジェクトの責任者を務める。これまで担当したクライアントは、製造業、建設業、メディア・エンターテイメント業、運輸業など多岐に渡る。

PwCコンサルティングのこれまで

PwCコンサルティングのこれまでの経緯をお教えください。

2009年にベリングポイント株式会社がPwCネットワークへ加入し、1,100名規模で、プライスウォーターハウスクーパース コンサルタント株式会社(現、PwCコンサルティング合同会社)の名称でスタートしました。最初の2年の成長はフラットでしたが、2011年以降はCAGR(年平均成長率)で20%以上を達成し、その間にコンサルタントも2,600名以上に増え、売り上げも数百億円から現在600憶円を超えるまでになっています。

何故、短期間でそれだけの急成長が可能となったのでしょうか?

ポイントは、グローバルネットワークとの連携とチームワークです。PwCは方向性、戦略を明確にして他社との差別化図りながら運営しています。PwC Japanグループでフォーカスするクライアントを30~40社に絞り、自ら能動的に役員レベルとのリレーションを構築し、関係を強化して行く戦略を取っています。何かあれば、国内でも、監査、税務、ディールのようなさまざまな部門に相談する仕組みも構築されており、グローバルに広がるPwCネットワークと連携しながら、チームプレーでサポートしています。このような体制で網の目のようにしてクライアントのニーズを把握しています。クライアント側から見て、ターンキーで何でも相談できる、そんな信頼関係を10年かけて築き上げてきました。相談内容には、海外進出時の具体的な支社設立方法、海外で出された規制による既存ビジネスへの影響について、グローバルM&Aで可能性のある買収先とその理由、など多岐にわたります。

グローバルネットワーク、国内のグループ法人、各部門のサービスラインの連携には自信があります。依頼が小規模案件であっても、複雑かつ難易度の高い依頼が多く、それらを4~5名のチームプレーで高い品質を保ちながら、一つ一つ丁寧に、タイムリーに解決して行く事により信頼関係を構築しています。

PwCの根にある文化と経緯をベースに成長戦略が構築されたのでしょうか?

PwCあらた有限責任監査法人は、監査法人としてのマーケットシェアは3~4%程度となっています。PwC Japanグループとしては監査としてはビジネスとしての拡大は難しいと考え、コンサルを伸ばす事をミッションとし注力してきました。PwCは、上記記述の通りコンサルが売り上げ、利益ともメインビジネスとなっており、監査関連の方々からは発想すらできないであろうグローバル戦略、アカウント戦略を持って運営しています。

パートナーシップとグローバル連携について

パートナーシップとグローバル連携についてお教えください。

PwCは、長年パートナーシップ制度を取っており、国ごとにそのパートナー制度は別れています。国内の意思決定は日本で行いますが、その際はパートナー全員が投票するかたちをとっています。
近年、グローバル規模のコンペで戦っている企業の難易度の高い課題をチームプレーで解決する機会も増えました。徐々にお付き合いしているクライアントからのビジネスも大きくなり、その際、他国のPwCメンバーとのつながりは非常に大切になっています。私たちはグローバルに広がるPwCのネットワークと連携しながら、国内はもとよりグローバル市場での競争力強化の支援に力をいれています。
このように、私たちは大きなリスクを取って一気に成長したわけでなく、地道にクライアントを絞り、ビジネスが獲得できたということで、結果年平均20%以上の成長ができました。

グローバルの中での貴社の立ち位置、特徴をお教えください。

PwCはグローバルとの連携の強さが他ファームよりも強固なものであると自負しています。他パートナーから依頼があればサポートし合う仕掛けになっていますし、長期の案件があれば、日本から海外事務所に人員派遣することもあります。PwCのメンバーファームには法的な親子関係や資本関係はありません。多国籍企業でも、一つのパートナーシップでもありません。しかし、各法人は独立して事業を行う中で、相互に密に連携をとっています。

求める人材について

今後、PwCコンサルティングがどんな人材を採用していきたいですか?

1)「コラボレーションできる」人材:
○自身の力をいろいろなところで活用したいと考えている方を歓迎します
(サイロ化された組織で活躍してきた方はNG)
○能動的に考えて、コラボしながら自身でキャリアを構築していける方
2)新しい事を積極的に学ぼうとする成長意欲の高い人材:
○クライアントに、より高いバリューを提供するために自身を成長させたいと思える方
○各専門領域における経験と学ぼうとする意志と行動力を持っている方
3)スペシャリスト人材:
○サイバーセキュリティ、エマージングテック、データサイエンティストなど尖ったご経験のある方
○個の戦闘力だけでなく、周りと協力して大きな成果を出せる方
○クライアントと長いスパンで信頼関係を構築できる方
4)「志」のある人材:
○根っこにあるのは、PwCのPurposeです。「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」ことに共感し、その意志をお持ちの方

今後のPwCコンサルティングと業界の動向について

最後に今後のPwCコンサルティングとコンサル業界動向に関して、一言お願いします。

現状のように世の中が激しく動いている間は、コンサル業界は良い状況が継続されると考えます。景気が悪くなり、顧客が本当にやらなければならない事のみの依頼となっても、これは現在PwCコンサルティング自体がクライアントのために追及している方向と合致しています。また、これから扱うであろう課題も、グローバルな要素を含むものが今以上に増え、M&Aも活発となるでしょう。そのようなお題は経営陣でないとできないので、PwCの強みが活かされ、ビジネスは増加すると考えます。豊國パートナー:私たちの強みである、コラボレーションによるソリューションの提供の引き合いは非常に多くです。選択と集中で社内のキャリア構築も考え、プロジェクトも選択と集中しています。PwCは、今後も「リスペクトとコラボレーション」をベースとした企業文化の中で、長期にわたりサステナブルなキャリアを構築できるフィールドとして社会にポジティブなインパクトを与え続けて行きます。

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