株式会社クニエ スペシャルインタビュー

今回は株式会社クニエ(以下クニエ)にて、主に脱炭素・カーボンニュートラル、電力/エネルギー、モビリティ/自動車とDX分野における事業戦略、新規事業創出、アライアンス戦略とオペレーション戦略等を支援するグローバルストラテジー&ビジネスイノベーションをリードするパートナーの胡原様にお話を伺ってきました。

グローバルストラテジー&ビジネスイノベーション担当 パートナー 胡原浩 様

早稲田大学理工大学院卒業、早稲田大学大学院経営管理研究科修了(MBA)。

大手電機メーカー、外資系戦略コンサルティングファーム、総合コンサルティングファームの戦略部署を経て、クニエに参画。グローバルビジネス領域における電力・エネルギー、モビリティ、自動車、ハイテクノロジー、情報通信等の幅広い業種において、経営/事業戦略、イノベーション戦略、新規事業戦略、グローバル戦略等の策定から実行までを支援。特にチャイナマーケットをはじめ、インバウンド・アウトバウンドの事業ストラテジーとビジネスイノベーションについての豊富な経験を有する。

 

●NTTデータグループという強みを生かし、「グローバル」「イノベーション」をキーワードに、企業の経営課題を解決していきたい

――グローバルストラテジー&ビジネスイノベーション担当立ち上げの背景を教えていただけますか。

入社前から入念にクニエ上層部とディスカッションし、グローバル×イノベーションの軸における事業戦略、新規事業創出、イノベーション戦略とグローバルオペレーション支援等に対する考えに共感したため、2021年クニエに参画しました。市場の観点からみると、日本企業におけるグローバル人材・イノベーション人材の不足が深刻な一方、業界融合が加速、業界を越えるビジネス創出に必要なオープンイノベーションやストラテジーなどの考え方、アプローチも進化しています。私はこのような日々進化している領域に特化して、クライアントの長期的な戦略パートナーとして向き合っていきたいと思いました。

 

――同様のことをこれまで他社ファームで行っていた中、クニエを選んだ理由について教えてください。

上流フェーズの戦略作りに関しては、日本企業の文化や事業特徴にマッチするストーリー性と実行性のある事業戦略・オペレーション戦略構築が重要であり、これまでのようにグローバルの先進的なソリューションやコンセプトをそのまま日本市場に持ち込んで、日本側のコンサルタントがその周辺のサポートを行うことでは価値提供が不十分、チームメンバーの実力も発揮出来ていないことが多々あります。外国のコンセプトや既存ソリューションをマネするのではなく、日本で事業の軸をしっかり持ちながら、日本からグローバル市場へ挑める環境でチャレンジしたい。そう考えた時に、クニエはNTTD系の日本発の総合系ファームとして、NTTデータグループにおける日本国内の事業とグローバル事業という強い基盤を持ち、他社との差別化がなされていると感じ、クニエを選びました。

 

――グローバルストラテジー&ビジネスイノベーション担当が今後目指す姿やミッションについての考えを聞かせてください。

NTTデータグループという強みを生かし、「グローバル」「イノベーション」をキーワードに、企業の経営課題を解決していきたいですね。コンサルティングはクライアントにどのようなニーズや課題があるかをしっかりと理解することがスタートになると思っています。我々の担当領域では大企業の新規事業開発室や、デジタル戦略室、イノベーション推進室などの戦略部隊がクライアントとなり、社長・役員直下で一から事業を手掛ける部門が多い傾向にあります。これらのクライアントがもつニーズや課題に対し、新規事業戦略、パートナーシップ・アライアンス戦略、オペレーション戦略と、3つの領域をメインに支援を行っていきたいと思っています。それと同時に今後はコンサルタントを増員し、対応力を2倍、3倍・・・と強化していくフェーズに移行したいと考えています。

 

●クライアントの本質的な課題に対して長期的な戦略パートナーとして支援していきたい

 

――現在のクライアントの「困りごと」について詳しく伺えますか?

これについてはクライアントの全社戦略に応じて取り組むためケースバイケースとなっています。企業の中にいると自社になにが足りないか、ケイパビリティはなにかということを見つけにくいのが事実です。そのため、事業戦略、新規事業創出と、アライアンス戦略などを検討する際は、客観的な専門性、事業構築の知見や実行支援の推進能力などを持つ外部のコンサルタントがジョインすることが有効です。

 

例を挙げると、新規事業の立ち上げ時には、スタートメンバーの体制が非常に重要であり、ここがうまくいかなければ、その後にも大きく影響するうえ、見えるスコープサイズが狭くなってしまい、事業の本質的なところから逸れてしまう恐れがあります。しかし、最初の構成メンバーは、経験値よりも興味関心が強い人を各部署から募集することが一般的となります。グローバル戦略やアライアンス戦略立案の経験があまりないところを、我々が専門家として立ち上げ時から支援し、長期的な戦略パートナーとして支援していきたいですね。

 

また、KPIの設定に対しては、社会に対する価値を追求するべきと考えていますが、クライアントは上層部から、何年後までに黒字にせよといった利潤追求のみの目標設定をされてしまいがちです。こういった当初のミッションが変わっていってしまうといったジレンマを抱えることもありますが、ESG/SDGs経営の重要性などを説いていくことも我々の務めと考えています。

 

――クライアントには、利益が出るまである程度年数がかかることを覚悟して臨んでほしいということですか?

いかにクイックウィンにできるか、リーンスタートアップとして、得意分野に特化したところから投資をするというベンチャー的なアプローチ方法が今の主流となっています。この考え方は非常に大切で、いきなり幅広く投資をするのではなく、得意分野で成功したら次、というように1つ1つ重ねていくアプローチにすることで投資額をコントロールし、リスクを抑えることが可能になります。

 

――今後脱炭素・カーボンニュートラル分野はコンサルティングのマーケットとして広がっていくとお考えでしょうか? 

これに関してはフェーズがいくつかに分かれていると思っています。まず、クニエでは、外部環境・マクロ調査など、新規事業に取り組むうえでどのような環境か調査を行うことをフェーズ1、次に、自社としてどのような新規事業を展開していくか、グリーンの取り組みに関して、どのように事業戦略を立てていくかという検討段階をフェーズ2としています。このフェーズ2までに関しては今期・来期あたりがピークになるのではないかと想定しています。そのあとのフェーズ3は、CO2削減や脱炭素に向けてどうするかといったオペレーション実行フェーズとなります。ロジスティクス関連や小売関連などの企業はすでにこのフェーズに入っており、今後競争力を高めるため、どう事業シナジーを作っていくか考えていく必要があります。さらに自社のグリーン戦略に関しては、世の中に開示していかなければならないため、開示に向けてどのように事業を進め、どう実行・検証していくかという中長期的なニーズがあるとみています。

 

――ご自身がリードされる部門の今後についてどうお考えでしょうか?

私がリードするグローバルストラテジー&ビジネスイノベーションは体制としてはまだ大きくありませんが、クニエがこれまで取り組んできた優位性を生かして、今後も活動していきたいという思いがあります。クニエは今まで特に製造業の業務改善・企業変革を主に支援してきましたが、我々の領域では特に業種・業界に関わらず大手企業の戦略パートナーとして長期的なバリューを提供していきたいと思っています。加えて、コンサルティング機能の強化を図りたいと考えています。

また、我々の担当領域では炭素依存度の高い日本企業に対して脱炭素やグリーンという観点から実行力の高い戦略立案を行っています。今後は脱炭素・グリーンを軸としたコンサルサービスをさらに強化しつつ、戦略というソリューション軸で幅広い業界への支援にもチャレンジしていきたいと思っています。

 

●日本社会・日本企業に貢献していきたい強い思いがあり、「グローバル×戦略」に関心が高い方と一緒に働きたい

――具体的にどのような人物像を期待していますか?

クニエにとって、当部門の担当する領域は非常に重要であり、積極的に人材を拡大していきたいと思っています。以前よりクニエの企業理念として、企業ひいては日本社会・世界に貢献していきたいという強い思いがあり、その理念に共感し、かつ「グローバル×戦略」に関心が高い方と一緒に働きたいと考えています。また、今後のクライアントのニーズに合わせて、事業戦略、特に新規事業系、アライアンス、オペレーション部分に特化していきたいため、その経験者や関心が高い方がいらっしゃれば是非お会いしたいと思っています。

 

職位としてはコンサルタント~ディレクターまで幅広く想定しています。即戦力の方はもちろん、若手でポテンシャルがある層も積極的に採用していきたいと考えており、語学力、興味関心、今後取り組みたいテーマなど人物面を重視していきたいと思います。一方で、我々が支援する戦略案件のアプローチ方法が独特であるため、マネージャークラス以上は、即戦力となるコンサルティングファーム経験者の採用が好ましいと考えています。コンサルティング経験者であれば、専門分野問わず歓迎します。というのも我々は、NTTグループからの相談をはじめ、幅広い案件に関わっています。現在は少人数の体制のため、脱炭素・グリーンという領域に特化していますが、今後はその枠にとらわれず、幅広くグローバル戦略を手掛け、クニエの中での戦略チームとして地位を確立していきたいと考えているからです。

 

――クニエで得られるバリューについて教えて下さい。

クニエは、プール制ではなく専門領域ごとの体制をとっているため、コンサルタントにとって自身が特化したい領域の専門性を深め、取り組めることが最大のバリューだと思います。

 

クニエではすでに信頼関係ができているクライアントが多いため、スタートがよく、どんどん議論しながらクライアントのための真の提案が可能となり、効率的かつ本来あるべき支援に取り組むことができると考えています。自分の専門性が発揮できる環境は、やりがいや達成感、よい成長につながると思っています。マネージャークラス以上では数字的責任はあるものの、クニエは数字より、クライアントとの長期的な戦略パートナーとしてどう価値を提供していくかを重視しており、クライアントが何に困っていて、3年後、5年後にどうなっていきたいのかを議論できるコンサルティングファームであると考えています。

 

――候補者の方へのメッセージをお願いします。

クニエの掲げる理念に基づき、日本企業や日本社会に貢献していきたい方と一緒に働きたいと思っています。これまで、ストラテジーの考え方は基本的に海外から日本市場に導入されたものでしたが、これからの時代において、このような海外における戦略の考え方を日本市場にローカライズしていく手法には限界があると感じています。今後は日本社会、日本企業文化の優位性を発見、発揮できるような戦略作りが必要だと考えています。

 

クニエは、事業会社経験者をはじめ、各領域の専門知識の深いコンサルタントが大勢いますので、概念的な理解に留まらず、事業に対する真に役立つ専門性を高めることができるでしょう。NTTグループの強みを生かしながら、真に役立ち、即実行可能な戦略作りを一緒にしていきましょう。