有限責任監査法人トーマツ スペシャルインタビュー

リスクアドバイザリー事業本部

ファイナンシャルサービシーズ/アカウントストラテジーチーム

 

今回は有限責任監査法人トーマツ(以下、トーマツ)にてリスクアドバイザリー事業本部/ファイナンシャルサービシーズ/アカウントストラテジーチームのマネージングディレクターである三好 順也様とシニアマネジャーの佐藤 雄一様にお話を伺ってきました。

 

 

クライアントが抱える経営課題に寄り添い、デロイトトーマツグループ内の専門家を統率するアカウントストラテジーチーム

お二人のご経歴を教えてください。

 

・三好 順也様

公認会計士として他監査法人にてキャリアをスタートしました。その後事業会社を経て、約10年前にトーマツへ入社しました。もともと会計監査を行っていましたが、その経験を活かしてより経営サイドに立って自身も専門性を高めていきたいと思い、金融バックグラウンドがあるわけではないですが現在のチームへ所属することとなりました。現在は銀行チームで、主にメガバンクグループ向けのアドバイザリー業務に従事しております。

 

・佐藤 雄一様

新卒でSIerに入社し、主に銀行システムを手掛けるSEとしてキャリアをスタートしました。その中で特にアンチマネーロンダリングに関するソリューションを提供し、専門性を高めてきました。SEとして従事する中で、より上流工程にあたる戦略立案部分の経験を積みたいと思い、大手コンサルティングファームへ入社しました。その後、デロイトトーマツコンサルティング(以下、DTC)を経て、コンサルタントとして従事する中で、マネーロンダリングの専門チームから声がかかったことをきっかけにリスクアドバイザリー(以下、RA)へ転籍となりました。現在ではこれまでの幅広い経験を活かし、組織をコーディネートする立場にならないかとのことで現在の保険チームへ移ってまいりました。

 

アカウントストラテジーチームについて教えてください。

・三好様
もともと監査法人のアドバイザリー部門として、監査の経験から得られた内部統制やリスクへの深い知見をクライアントに提供していくことで、社会に貢献していくというミッションがあります。その中でアカウントストラテジーでは、案件ごとにバラバラとなっている様々な専門性を持っている人材を1つにつなげ、クライアントの経営課題全体を解決することを目的としています。クライアント企業と案件単位でのお付き合いではなく、アカウントフォーカスすることで長期的なお付き合いを実現し、さらにクライアント企業が抱えている経営課題に対してデロイトトーマツグループ内に在籍している様々な専門家をつなげるブリッジライン的役割を担っています。

 

その中で DTC の金融チームとの違いは何になるのでしょうか。

・佐藤様
私の従事している範囲で申し上げると、「DTCは攻めのコンサル・RAは守りのコンサル」であると思います。つまりDTCがオペレーションの効率化や売り上げのトップラインを伸ばすことを目的とし、RAがそれに伴って必要となる法令対応に関する助言などの専門性を提供しています。何か新しいことを始めようとすると必ずリスクがついて回りますので、両者は切っても切れない関係となっています。

 

アカウントストラテジーの魅力について教えてください。

・佐藤様
アカウントストラテジーは個人的に指揮者のような存在であると考えています。デロイトは専門家集団なので、それぞれが持っている高い専門性を発揮させるには指揮者のように中心となって全体を束ねる人材が必要です。自身が中心となってプロフェッショナルとともにより良いものを作り上げていくことができる、これが魅力ではないかと考えています。 全体を束ねて、その相乗効果でより大きな成果を残す中心的役割を担いたいという方に向いている組織だと思います。

 

やや営業的なニュアンスも感じられるのですが、いかがでしょうか。

・三好様
「営業」という言葉の定義にもよりますが、あくまでも私たちはお客さまに寄り添って、お客さまの課題を一番把握しているチームだと考えています。それは裏を返すと、クライアント企業が経営上抱えている課題を理解し、それに対してソリューションを提供するという点では営業と似ているかもしれません。ただし、単に売り上げを作っていくようなものではなく、あくまでも経営層の近くでニーズを把握し、それにこたえるためにデロイトトーマツグループ内の専門家との架け橋となる存在ですので、一般的な営業とは少し異なるのではと考えています。専門家だけでは、ソリューションがどうしても特定のものになりかねな いので、私たちのような存在は非常に意義のあるものだと思います。

 

今後におけるクライアント企業(金融機関)の課題はどのようなものになるでしょうか。

・三好様
今後は海外に進出していく動きやデジタル化の動きが加速していくと思われ、今後ますますデロイトトーマツグループ全体が一体となってあらゆるニーズに対応していく必要があります。それに伴い、私たちの役割や意義もどんどん大きくなってくるのではと思っております。

 

 

様々な専門家に囲まれ、限られた時間で最大限の価値提供を

RAでの働き方について教えてください。

・佐藤様
一般的なコンサルティングファームとデロイト トーマツのRAでは働き方が若干異なっているように感じます。
コンサルティングファームでは、長時間労働になりやすい傾向があるのは事実だと思います。これはクライアントが求める以上の品質を追求するため、何度も議論を重ねたうえで業務を進めるためです。一方、RAは限られた時間の中で自身の専門性や知見を活かして提案することが求められるため、そこまで時間的拘束は長くなりません。これは必ずしも長い時間をかければ高い品質になるとは限らないという発想からだと思います。限られた時間で高い専門性に基づく意見が求められるため、普段の業務の密度としては濃くなるのだと思います。

・三好様
補足ですが、ファイナンシャルサービシーズに属する管理職層は金融機関から転職してきたメンバーが多いことからも、コンサル叩き上げの管理職層が多いコンサルティングファームとは働き方の価値観が異なり、長時間働くことが必ずしも良いことではないという考え方があるように個人的には考えています。
また、コロナ禍を経た現在もリモート主体の働き方となっており、平均で週1~2日程度の出社頻度となっています。ダイバーシティという観点でも女性が組織全体の3割を占めており、管理職含め今後も積極的に採用していきたいと思っております。

・佐藤様
実際にプロジェクトの中でも女性が半分以上を占めているケースもありますね。他のコンサルティングファームと比較しても、女性比率は相当に高いです。先ほどお話したように、RAでは長時間労働ではなく限られた時間でのアウトプットが求められる環境であり、かつデロイトトーマツグループ全体で産休育休制度などが充実していることも相まって、女性にとっても活躍しやすい環境なのではと感じています。

 

グローバルでの活躍機会について教えていただけますか。

・佐藤様
クライアントの海外拠点やデロイトの海外メンバーファームと協業でプロジェクトを行う機会もあります。実際にそのようなグローバルプロジェクトに自ら手を挙げて参加しているメンバーもおります。このようなグローバルプロジェクトも多いため、語学力があるとより活躍の幅が広がると思います。

 

若手の方が御社の中で高い専門性を身に付けていくスキームを教えてください。

・三好様
研修は非常に充実していると思います。特にアドバイザリーを行う上で必要となる資料の作成方法などといったソフトスキル面の研修が多いと思います。金融機関への理解を深めるような実務面での座学はあまり行っておらず、業務を通じて実践的なスキルを身に付けるケースがほとんどです。

・佐藤様
研修やプロジェクトの経験もそうですが、RAには様々な領域の専門家が身近に存在しているため、その人たちに直接聞くことで知識を身に付けることもできます。また、定期的な面談を通して、可能な限り希望を考慮したプロジェクトアサインを行っていますので、自分自身が身に付けたい専門性を吸収しやすい環境であると思います。

 

アカウントストラテジーで身につくスキルやキャリアについて教えてください。

・三好様
身につくスキルというよりは必要なスキルになるかもしれませんが、「本質を見抜く力」は必要であると思います。相手との対話の中で本当に求めていることが何なのか、理解を深めていく力です。アカウントストラテジーの良さは特定の領域に特化しているわけではないため、様々なバックグラウンドを持つ方とのプロジェクトを通じて、自身が興味のある領域を見つけることができる点です。3-5年のスパンで様々なプロジェクトに触れる中で、アカウントストラテジーの一員として活躍していくも良し、他の部門に移って専門性を高めるも良し、自分自身に合った幅広いキャリアの選択肢がある環境です。

 

上記を踏まえてどのような人材を求めているのでしょうか。

・佐藤様
私自身コンサルティングファームもデロイトトーマツのRAも経験しておりますが、役割が異なるだけで求められるスキルはそこまで変わらないと思っています。どちらに属するにせよ一定のコンサルティングスキルを有しており、持っているスキルをクライアントに提供していきたいという思いは必要です。唯一の違いとしては、ジェネラリストとしての側面を有する一方で、スペシャリストとして何らかの専門性を磨きつつ、そのテーマの中でコンサルティングを行いたいという方はRAが向いているのではと思います。
一方で、何よりも大切なことはデロイトのカラーの1つでもある「誠実性」であると考えています。嘘をつかないこと、ごまかさないこと、助け合うこと、こういった社風が他のファーム寄りも色濃く出ていると感じています。誠実性に加えて、高い視座を持ち、自分の仕事に取り組む姿勢も重視しています。ただ目の前の仕事をこなすだけでなく、自発的に先を見据えた提案ができる力も必要となります。

・三好様
「専門性」というキーワードは求められるスキルの1つですが、私たちはDTCと他のRAプロフェッショナルの中間に位置していると考えております。つまりRA で求められるリス クや規制に対する専門性の他に、広い視野を持って様々なビジネスをつなげていける柔軟性を持っている人材が良いと思います。

 

最後にご転職者へメッセージをお願いします。

・三好様
重複となってしまいますが、若いうちから大手金融機関の経営層と向き合って大きな仕事がしたい、社会を変えていきたいという強いマインドを持っている方とは是非積極的にお会いしたいと考えております。

・佐藤様
自分の考えている世界ではない新しい世界を見たい方にはお勧めの環境です。今後皆さんにお会いできる日を楽しみにしております。