【コンサルなるならこれを読んで】コンサル業界入門書レビュー

転職コラム

1. はじめに

コンサル業界を志望される方と面談をすると、「業界勉強したいんですけど何かお勧めありますか?」という質問をよく受けます。いろいろな本を紹介していますが、最近読んだこの本がとても良かったので、レビューします。

2. 図解即戦力 コンサルティング業界のしくみとビジネス

本の概要

この本は、技術評論社から2022年5月13日に初版が発行された入門書です。著者は現役のコンサルティング会社の経営者であり、先日取り上げたコダワリ・ビジネス・コンサルティングの社長です。業界研究本は人材サービス会社や経済メディア系から出版されることが多いですが、業界の中の人がフラットに書くケースは珍しいです。

本の構成

この本は以下のチャプターで構成されています:

  • コンサルティングとは
  • コンサルティングの専門領域
  • コンサルタントの働き方
  • コンサルタントが身に着けるべき能力
  • コンサル業界の就職・転職の実態
  • 主要なコンサルファーム
  • コンサル業界の今後

業界研究本の基本構成と言えるでしょう。

3. おすすめポイント

文字が少なくて読みやすい

おいおいおいって思われるかもしれませんが、これは重要なポイントです。フルカラーで、理解してほしい情報に強弱をつけ、入れるべきところに図解を入れています。章の表紙、リード文、まとめ、そしてマーカーや色で強調されている部分だけ見れば、大体の大枠が理解できます。そこからじっくり読み込むとスッと入ってきます。これは、少ない言葉で本質を正しく理解させることが非常に難易度が高いからです。

割と生々しい内容

4章の「コンサルタントが身に着けるべき能力」や、5章の「コンサル業界の就職・転職の実態」などの章は必見です。現役のコンサルティング会社の社長が書いているため、残念なコンサルタントがどのような姿か、コンサルタントとしてどうなってほしいか、採用で何を見ているのかが当事者意識を持って書かれています。新卒社員のアサイン体験談や、ワークライフバランスの変遷など、生々しく書かれており、コンサルタントの仕事の解像度がかなり上がります。

中立性が高くフラット

生々しい内容を書きつつも、著者のバックグラウンドやバイアスが極力排された作りになっています。6章で主要コンサルティングファームの特徴を記載していますが、著者の自分の会社の紹介も他社と同じ2ページだけです。大手ファームとも付き合いがあり、中立的な立場でコンテンツを作っている印象です。業界展望も各コンサルティングファームが抱える共通課題の元で描かれています。

4. まとめ

この本は、コンサル業界の勉強を始める上で非常におすすめです。これをフックに他の業界研究本を読んでいくと、文字が多くても理解が進みやすく、サクサク読めるようになるでしょう。

  1. 図解即戦力 コンサルティング業界のしくみとビジネスはとても読みやすい本です。
  2. 内容が生々しく、コンサルタントの実態がよくわかります。
  3. 中立性が高く、フラットな視点で書かれています。

※YouTubeもご覧ください。

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