1. はじめに
コンサルティングファームは「Industry」と「Function」の大きく2つの軸で分けることができます。「Industry」と「Function」の切り分けについて解説していきます。
2. Functionコンサルタントの役割
Functionの概要
Functionコンサルタントは戦略やプロセスを担当し、基本的にクライアント企業の部署に紐づく形でユニットが分かれます。例えば、経営企画が相手の「Strategy Unit」、経理財務部門を相手にする「Financial Management Unit」、生産部門・物流部門・オペレーション部門などを相手にする「SCM Unit」、人事領域を担当する「HR」などです。この呼び方は会社によって異なります。
Pure戦略ファーム
特定領域に特化したブティック型コンサルティングファームの集合体をイメージすると、総合系コンサルティングファームのFunctionコンサルタントのイメージがつかみやすいです。Pure戦略ファームと呼ばれるコンサルティングファームは、Strategy Unitだけで構成されるブティックファームとも言えます。総合系コンサルティングファームにもStrategy Unitが存在するため、経営戦略のコンサルティングも行っています。総合系は経営戦略をやれないというのはよくある誤解なのでご注意ください。
3. Strategyの領域
Strategyの役割
Strategyの領域は、会社としてどこを目指しどうなるかを考える経営戦略・組織戦略を担当します。経営戦略通りに物事を進めるために、具体的に何をどう変えるかのテーマを抽出し、部門戦略に紐づく各コンサルティングユニットに仕事を振り分け、ハブとして変革を支援します。
Industry Unitの重要性
こうした「コンサルタントの仕事を作る機能」を担う上で、組織の課題を抽出するためには、その企業が属する業界の全体感や共通言語、業務を俯瞰して把握する視座が必要です。そのため、その業界の知見が豊富なIndustry Unitが組成されました。
4. Industry Unitの役割と採用傾向
Industry Unitの役割
Industry Unitのコンサルタントは、業界特化型のStrategy Unitとしての役割や、各Function Unitのコンサルタントの業務知見と業界知見を掛け合わせた問題解決を担当します。基本的にIndustry Unitに所属するコンサルタントは、顧客と向き合って全体的な課題解決にコミットし、仕事を作ってくるコンサルタントマネージャークラスを中心に構成されています。
採用傾向の変化
以前は、Functionコンサルタントとして経験と知見を深め、マネージャー昇格後にIndustryコンサルタントへ移行するパスが主体でした。しかし、最近ではこの傾向が変わりつつあります。高齢化問題に加えて、業界固有の課題や差別化要因にフォーカスしたPracticeが増えているため、特定業務ファンクションの知見よりも、業界知見を若いうちから深める方が良いと判断されることがあるからです。
5. まとめ
ざっくりまとめ
- Functionは組織に紐づき、Industryは業界に紐づく
- Industryは業界特化型Strategy Unit的な性格が強い
- Industry Unitでも若手採用が増えてきた