Case面接 フェルミ推定攻略を考えてみた

転職コラム

今回は、コンサル転職におけるCase面接とフェルミ推定攻略について詳しくお話しします。フェルミ推定とは、限られた情報から大まかな数値を推定する手法であり、コンサルタントとしてのスキルをアピールする場面で重要です。前回の記事で取り上げた行動面接(Behavioral Interview)に続き、今回はケース面接(Case Interview)に焦点を当て、特にフェルミ推定について解説します。

1.Case面接とは?

Case面接は、コンサルティング業界の面接で頻繁に行われる形式で、応募者の問題解決能力や論理的思考を評価するためのものです。経営戦略・事業戦略のコンサルティングは、「ある一定のビジネスルールに乗っかった上での勝ち筋を考えること」と言えます。このビジネスルールを洗い出す過程がフェルミ推定に非常に似ています。

2.フェルミ推定とは?

フェルミ推定とは、限られた情報から大まかな数値を推定する手法で、イタリアの物理学者エンリコ・フェルミにちなんで名付けられました。彼は、観測データが少ない状況でも推定を行う能力で知られていました。フェルミ推定の目的は、複雑な問題に対して合理的かつ迅速に見積もりを行うことです。

フェルミ推定の基本ステップ

フェルミ推定を行う際には、以下のステップに従います:

  1. 問題の定義: 解決すべき問題を明確にします。
  2. 全体を部分に分解: 問題をより小さな部分に分解し、それぞれの部分を個別に推定します。
  3. 基本的なデータを収集: 既知の情報や常識を基に、必要なデータを収集します。
  4. 推定を行う: 各部分の推定値を合算して全体の推定値を算出します。
  5. 妥当性の確認: 推定結果の妥当性を検証し、必要に応じて修正します。

フェルミ推定の実例

典型的なフェルミ推定の問題として、「東京にあるマンホールの数を推定する」ことを例に挙げてみましょう。

  1. 問題の定義: 東京にあるマンホールの総数を推定します。
  2. 全体を部分に分解:
    • 東京の面積を推定する。
    • 一定面積あたりのマンホールの数を推定する。
  3. 基本的なデータを収集:
    • 東京の面積は約2,200平方キロメートル。
    • 都市部では約100メートルごとに1つのマンホールがあると仮定。
  4. 推定を行う:
    • 1平方キロメートルには100×100=10,000メートルの距離があり、各100メートルごとにマンホールがあるため、1平方キロメートルあたり100個のマンホールがあると推定。
    • 東京の面積2,200平方キロメートル × 100個/平方キロメートル = 220,000個のマンホールがあると推定。
  5. 妥当性の確認: 上記の推定が現実的かどうか、他のデータや常識と照らし合わせて確認。

3.フェルミ推定攻略のポイント

以下のポイントを押さえて、フェルミ推定を攻略しましょう:

1.   最初に前提をすり合わせよう フェルミ推定では、まず前提を明確にし、面接官とすり合わせることが重要です。テーマを提示された際に、質問タイムを活用して「目的」「言葉の定義」「前提」を確認しましょう。前提が明確でないまま進めると、誤った方向に進むリスクがあります。

2.   目的に即した因数分解をしよう フェルミ推定は基本的に、「因数分解」で公式っぽいものを作る考え方です。目的に応じて使う変数を決め、シンプルな公式で推定します。例えば、「底辺×高さ÷2」くらいのシンプルさで考えると、制限時間内にうまく進められます。

3.   結論から説明するが、結論ありきで考えない 自分の中での結論に当てはめるためにロジックを作るのは「決め打ち」と呼ばれ、良くない進め方です。指摘やフィードバックを受けてからが本番。新たな合意を取りながら、推定や思考をブラッシュアップしていく姿勢が重要です。

4.フェルミ推定の応用例

フェルミ推定はさまざまなビジネスケースで応用できます。以下のようなシナリオが考えられます:

1.   市場規模の推定 新製品の市場規模を推定するために、ターゲットとなる消費者の人口、製品の平均購入価格、購入頻度などを基に市場規模を推定します。

2.   物流の最適化 配送センターの最適な配置や配送ルートの効率性を推定する際にもフェルミ推定が有効です。都市内の顧客数、平均配送距離、配送頻度などを考慮して推定します。

5.フェルミ推定の利点と注意点

利点

  1. 迅速な意思決定: 限られた情報でも迅速に大まかな見積もりを行うことができます。
  2. 構造的な思考: 問題を細分化し、論理的にアプローチすることで、複雑な問題に対して構造的な思考が促されます。
  3. 応用範囲の広さ: ビジネスから科学、日常生活まで幅広い分野で応用可能です。

注意点

  1. 精度の限界: あくまで大まかな推定であり、精度には限界があります。最終的な決定には詳細なデータや追加の分析が必要です。
  2. 仮定の妥当性: 仮定が誤っていると推定結果も大きく外れる可能性があるため、仮定の妥当性を確認することが重要です。

6.フェルミ推定の練習方法

フェルミ推定を習得するためには、以下の方法で練習を積むと良いでしょう:

  1. 実践的な問題を解く: 日常生活やビジネスシナリオに関連する問題を見つけ、フェルミ推定を用いて解決策を見出します。
  2. 模擬面接の実施: 友人や同僚と模擬面接を行い、フェルミ推定の練習を重ねます。
  3. オンラインリソースの活用: フェルミ推定の練習用サイトや動画を活用し、多くの事例に触れることでスキルを磨きます。

7.まとめ

フェルミ推定は、コンサルティング業界におけるCase面接で頻繁に出題される重要なスキルです。この手法をマスターすることで、限られた情報から合理的な推定を行い、問題解決能力や論理的思考をアピールすることができます。以下のポイントを押さえて、フェルミ推定のスキルを磨いてください:

  1. 最初に前提をすり合わせよう
  2. 目的に即した因数分解をしよう
  3. 結論から説明するが、結論ありきで考えない

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