職務経歴書作成のコツ:コンサルタント経験者編

転職コラム

今回はコンサルタントの方向けに、Firm to Firmの転職を成功させるための職務経歴書作成のコツについてお話します。前回の記事では、コンサルティング業務未経験の方に向けた内容でしたが、今回は経験者向けの内容となります。

1.転職の目的と成功のカギ

コンサルタントが転職を考える理由はさまざまですが、一般的には「ポジションアップ」や「コンサルテーマチェンジ」が主な目的です。これらの目的を実現するためには、新しい環境で「ポジションアップした際やコンサルテーマチェンジした際にワークできるか?」という問いに対してYESと答えることが重要です。

2.ポジションアップ目的の転職

例えば、現職でシニアコンサルタントとして働いている方が次はマネジャー待遇で転職を希望する場合、または現職でマネジャーとして働いている方がシニアマネジャー待遇での転職を希望する場合があります。このような転職では、以下のポイントが重視されます:

マネジャーとしての評価を得るために

  • プロジェクトデリバリーやクオリティコントロールができるか:これまでに担当したプロジェクトでの具体的な成果やクオリティ管理の経験を示す。
  • 顧客との関係構築能力・案件創出能力があるか:どのくらいのプロジェクトを引っ張ってこれるか、顧客との強固な関係構築の実績をアピール。
  • 自社ラインの組織マネジメントや事業エグゼキューション能力があるか:チームを作り、引っ張っていく能力を具体的な事例と共に示す。

これらのポイントを強調することで、そのポジションにふさわしい能力と経験を持っていることを証明します。単に「やりたい」ではなく、「できる」ということを強くアピールすることが重要です。

なお、シニアコンサルタント、マネジャー、シニアマネジャーなどの職掌名と対応ミッションは各ファームによって微妙に異なるため、応募先のポジションのミッションを理解し、それに対する適性をアピールすることが求められます。

3.コンサルテーマ変更目的の転職

例えば、実行支援系コンサルティングから戦略系コンサルティングへの転職や、SAP案件からM&A案件への転職など、自身の携わるコンサルテーマを変えたい場合もあります。

現在の転職市場では、「コンサルワーク経験」があればテーマを問わない募集も多いですが、実際には「スキルミスマッチ」を理由に、これまでと同じコンサルテーマで話が進むケースもあります。このようなケースを避けるためには、以下のポイントを押さえた職務経歴書の作成が重要です。

新しいコンサルテーマへの適性を示すために

  • 過去プロジェクトで培ったナレッジ・スキルアセットの抽象化:これまでの経験をどのように新しいテーマに応用できるかを示す。
  • 新しいテーマにおいて要求されるスキルアセットとの親和性の抽出:自身のスキルと新しいテーマのスキルの共通点を明確にする。
  • 不足しているスキルアセットの補完プラン:必要なスキルをどのように補完するかの計画を示す。

これらを職務経歴書に盛り込むことで、「直接的な経験はないが、応用できる知識・スキルがあり、補完する計画もあるので、新しいプロジェクトに対してもワークできる」というメッセージを伝えることができます。

4.具体的な職務経歴書の書き方

職務経歴書では、以下の要素を盛り込むと効果的です:

基本情報

応募者の氏名、住所、連絡先(電話番号、メールアドレス)などの基本情報を明記します。

職務経歴の概要

これまでのキャリアの流れを簡潔に示します。会社名、在職期間、役職、担当業務の要約を記載します。

職務経歴の詳細

具体的な業務内容、達成した成果、プロジェクト例、数値的な実績などを詳細に記述します。

スキルと強み

ハードスキル(技術的スキル、資格など)とソフトスキル(コミュニケーション能力、リーダーシップなど)の具体例を示します。

プロジェクト事例

特に重要なプロジェクト経験を詳細に記述します。プロジェクト名、期間、担当業務、成果を具体的に書くことで、スキルと経験をアピールします。

自己PR

志望動機、過去の経験から得た学び、それが新しい職場でどのように活かされるかを具体的に記述します。キャリアビジョンを明確に示すことで、転職先での貢献意欲を伝えます。

5.まとめ

コンサルタントの転職において、ポジションアップやコンサルテーマの変更を成功させるためには、職務経歴書で「できる」ことを強くアピールすることが重要です。これまでの経験を活かし、新しい環境でどのようにバリューを発揮できるかを具体的に示しましょう。

※YouTubeもぜひご覧ください。

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