おさらい
前回の記事では、以下の2つの大きなポイントをお伝えしました:
「できるか?」という問いに対して、「経験」「知識・スキル」「ポテンシャル」の3つの根拠でYESと答えること。
仕事の説明は「ミッション」から始めること。
これらのポイントを抑えることで、職務経歴書をより効果的に構築することができます。今回は特に「知識・スキル」に焦点を当て、その具体的な記述方法とアピール方法について詳しく解説します。
1.知識・スキルの重要性
コンサルティング経験がなかったとしても、「知識・スキル」があることで早々にワークできるようになると判断されれば、書類選考を通過し、面接に繋がる可能性が高まります。
知識・スキルの具体的な内容
「知識・スキル」は大まかに以下の二つに分類されます:
所属部署で行った業務によって手に入れた業務知識。
二つの「企画ノウ」:企画の脳みそ「企画脳」と企画の能力「企画能」。
企画脳とは?
企画脳は、「構造化」「着想」「判断」「意思決定」などの要素で構成される「課題解決を考える頭脳」を指します。具体的には、以下のようなスキルが含まれます:
- 問題の特定と分析
- 解決策の構築
- 意思決定プロセスの理解と実行
企画能とは?
一方、企画能は、「考えた内容を相手に伝え、合意を取り、アクションを決め、納期を設定する」などの実行・推進能力を指します。具体的には、以下のようなスキルが含まれます:
- 効果的なコミュニケーション能力
- チームリーダーシップ
- プロジェクトマネジメント
この二つが揃って初めて「課題解決能力」となります。これらのスキルは、今までのキャリアでどのように培われてきたかを具体的に示すことが大切です。
2.プロジェクトワーク経験の重要性
これらの「知識・スキル」を伝えるためのエピソードとして効果的なのが「プロジェクトワーク経験」です。プロジェクトワークは、フロントでの営業、ミドル・バックオフィスの企画職など、職種を問わず経験することができるものです。
プロジェクトワークの具体的なプロセス
プロジェクトワークでは、以下のようなプロセスを経ることが一般的です:
- 目的達成のための具体的な構想を考える:どのように目標を達成するかの戦略を立てる。
- 段取りを考える:いつまでに誰が何をするかの計画を立てる。
- 調整を行う:さまざまな利害関係者間での調整を行い、円滑に進行するようにする。
これらのプロセスは、コンサルティングワークに非常に近いものです。「こういう仕事をしてきたから、企画脳と企画能が磨かれた。それはコンサルティングワークにも応用可能である」というメッセージを伝えることができます。
職務経歴書での具体的な記述方法
プロジェクトワークの経験は、定例業務と比較すると数が少ないことが多いですが、実はこの経験の方がビジネスパーソンとしてのスキルを高める効果が高いです。職務経歴書には、日常業務の羅列だけでなく、「主なプロジェクト事例」として項目を設け、詳細に記述することをお勧めします。
例えば、以下のように記述すると効果的です:
- プロジェクト名: 新規事業立ち上げプロジェクト
- 期間: 2020年4月~2021年3月
- 担当業務: マーケティング戦略の策定と実行
- 成果: 売上20%向上、チームメンバー10人のリーダーシップ
このように具体的な業務内容や成果を記述することで、あなたの「知識・スキル」がどのように発揮されたかを明確に示すことができます。
3.自己PRの書き方
最後に、自己PRの書き方についても触れておきます。自己PRでは、以下のポイントを押さえると効果的です:
- 志望動機: なぜコンサルタントになりたいのかを明確にする。
- 過去の経験から得た学び: これまでのキャリアで学んだことを具体的に示す。
- 今後のキャリアビジョン: コンサルティング業務でどのように活かしたいかを述べる。
例えば、次のように書くと良いでしょう: 「私のキャリアの中で最も価値があったのは、新規事業立ち上げプロジェクトにおいてマーケティング戦略を策定し、売上を20%向上させた経験です。この経験を通じて、構造化された思考と実行力を磨くことができました。これらのスキルをコンサルティング業務で活かし、クライアントの課題解決に貢献したいと考えています。」
4.まとめ
職務経歴書は、単に日々のタスクを列挙するのではなく、「あなたのミッション」を中心に据えたストーリーを描くことが重要です。サイモン・シネックの「Whyから始めよ」という考え方に基づき、あなたの経験、知識・スキル、ポテンシャルがどのように磨かれてきたかを具体的に示すことで、採用担当者に強い印象を与えることができます。これらのポイントを押さえて、効果的な職務経歴書を作成しましょう。
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