コンサルタント未経験者向けの職務経歴書作成のポイントその1

転職コラム

おさらい

前提: 応募企業はあなたを知らないので、あなたが任せたい仕事ができる人なのかを判断するための資料が職務経歴書です。
論点: 「できるか?」に対してYESと根拠を持って伝えられるように職務経歴書を書くことが重要です。
方法: 職務経歴書の記述はPREP法(Point, Reason, Example, Point)を使って、ReasonとExampleを重視しましょう

1.具体的な職務経歴書の書き方

基本情報

目的: 採用担当者が応募者に迅速に連絡できるようにする。
記載内容: 氏名、住所、連絡先(電話番号、メールアドレス)。

職務経歴の概要

目的: 応募者の職歴の流れとキャリアの発展を一目で理解できるようにする。
記載内容: 会社名、在職期間、役職、担当業務の要約。

職務経歴の詳細

目的: 過去の業務内容や成果を具体的に示し、応募者の能力を証明する。
記載内容: 各職歴における具体的な業務内容、達成した成果、プロジェクト例、数値的な実績。

スキルと強み

目的: 応募者が持つスキルセットとその強みを明確にし、コンサルタントとしての適性を示す。
記載内容: ハードスキル(技術的スキル、資格など)とソフトスキル(コミュニケーション能力、リーダーシップなど)の具体例。

学歴

目的: 応募者の学問的背景を示し、基礎的な知識や学術的なトレーニングを証明する。
記載内容: 最終学歴から順に記載。

資格・認定

目的: コンサルティング業界で有用な資格や認定を示し、専門性を証明する。
記載内容: 取得した資格や認定の名称と取得年月。

自己PR

目的: 応募者のパーソナリティやモチベーション、転職理由を明確に伝える。
記載内容: 志望動機、過去の経験から得た学びとそれがコンサルティング業務にどう活かせるかの説明、今後のキャリアビジョン。

2.理論的背景と具体的なアプローチ

職務経歴書を作成する際には、以下の理論を参考にすると効果的です。

自己呈示理論 (Self-Presentation Theory)

概要: 応募者が自分の能力や経験をどのように効果的に伝えるかを考慮します。 アプローチ: 職務経歴書での情報の提示は、相手に与えたい印象に基づいて慎重に選択します。特に、実績やスキルを強調することで、自分の価値を最大限にアピールします。

信号理論 (Signaling Theory)

概要: 応募者が持つスキルや能力の信号を採用担当者に伝えることを目的とします。 アプローチ: 数値や具体的な実績を用いることで、応募者の能力や業務適性を明確に示します。これは、信頼性の高い情報源として働きます。

ナラティブアプローチ (Narrative Approach)

概要: 応募者の職務経歴を物語として構築し、キャリアの一貫性と目的を示します。 アプローチ: 職務経歴書全体を通じて、一貫したストーリーを伝えることを目指します。例えば、過去の経験がどのようにしてコンサルタントとしてのキャリアに活かされるかを明確にします。

実際の職務経歴書の記述方法

それでは、具体的にどのように職務経歴書を記述すればよいのでしょうか。ここでは、コンサルタント未経験者向けに、経験、知識&スキル、ポテンシャルの三つの要素に分けて説明します。

3.記載例

経験

具体例:
  • プロジェクトワーク経験: 「企業が抱える何かしらの問題・課題を解決するためのプロジェクトワーク経験」を具体的に記述します。例えば、「新規事業立ち上げプロジェクトで、マーケティング戦略を策定し、売上を20%向上させました」という具体的な成果を挙げます。

知識・スキル

具体例:
  • 専門知識: 「自分の知っている業界・業務領域の専門知識」を示します。例えば、「製造業界での10年間の経験により、サプライチェーン管理の専門知識を持っています」と記述します。
  • 組織力学の理解: 「大組織での物事の動かし方の理解」を具体例で示します。例えば、「大規模なチームをリードし、部門間の協力を促進するための戦略を策定しました」と書きます。

ポテンシャル

具体例:

  • 順応力と向学心: 「順応力、向学心、仕事に対するモチベーション、志望度の強さ」を強調します。例えば、「新しい環境に迅速に適応し、常に最新の業界動向を学び続けています」と記述します。

4.まとめ

職務経歴書を作成する際には、単に日々のタスクを列挙するのではなく、「あなたのミッション」を中心に据えたストーリーを描くことが重要です。サイモン・シネックの「Whyから始めよ」という考え方に基づき、以下の点を意識して書きましょう。

ミッション: あなたに課せられていたミッションが何であるか
課題: ミッション遂行のために乗り越えなければならない壁(課題)が何であるか。
タスク: その壁を乗り越えるために日々何のタスクに取り組んでいたのか

これらを明確にすることで、あなたが仕事で考えてきたプロセスが見えてきます。職務経歴書を「日々やってきた仕事の羅列」ではなく、あなたの経験、知識・スキル、ポテンシャルがどのように磨かれてきたかを表現するためのストーリーとして作成しましょう。これにより、採用担当者に「できるか?」という問いに対してYESと根拠を持って伝えることができる職務経歴書が完成します。

※YouTubeもご覧ください。

関連記事

特集記事

TOP