ERPコンサルタントについて徹底解説 ERPコンサルタントの今後や転職市場について

転職コラム

ERPについて

ERP(Enterprise Resource Planning)は、日本語で「企業資源計画」と訳され、企業の主要な経営資産である「ヒト・モノ・カネ・情報」を一元的に管理し、業務の効率化を図るITシステムのことを指します。ERPの導入により、企業は業務の可視化やデータの一元管理を実現し、迅速な意思決定が可能になります。

従来、企業の各部門(財務・会計、人事・給与、生産・物流など)はそれぞれ独立したシステムを使用しており、部門間でのデータ共有に課題がありました。しかし、ERPシステムを導入することで、社内のすべての業務を統合管理できるため、業務の効率化、データの正確性向上、意思決定の迅速化が実現されます。そのため、ERPは「基幹系情報システム」とも呼ばれています。

代表的なERPソリューションとしては、SAP、Oracle、Microsoft Dynamics などが挙げられます。企業の業種や規模に応じて、最適なERPパッケージを選定し、カスタマイズすることが重要です。



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ERPコンサルタントとは

ERPコンサルタントは、ERPシステムの導入や運用に関するアドバイスを行い、企業のビジネスプロセス改善を支援する専門職です。ERPは単なるシステム導入にとどまらず、企業の業務フローや経営戦略と密接に関わるため、ERPコンサルタントには業務理解力、IT知識、プロジェクトマネジメント能力が求められます。

近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により、ERPの導入が加速しています。特に、クラウドERPの台頭により、従来のオンプレミス型ERPよりも導入のハードルが下がり、中堅・中小企業にも普及が進んでいます。

ERPは企業の基幹業務を担うシステムであり、長期的な視点での運用・改善が求められます。ERPコンサルタントは、経営戦略と業務改革の視点を持ち、企業全体のシステム最適化を支援します。導入による影響範囲が広く、企業の業務全体に及ぶため、慎重な設計と継続的な改善が重要です。ERP導入の成否は、適切なシステム選定、業務プロセスの整理、関係者の理解と協力にかかっています。そのため、ERPコンサルタントの役割は単なるシステム導入支援にとどまらず、企業の成長戦略の一翼を担う重要なポジションと言えるでしょう。

ERPコンサルタントの魅力・特徴

経営視点を持ち、企業変革に貢献できる

ERPは企業の基幹業務(財務・会計、人事、物流、生産など)を統合管理し、経営判断の精度を高めるシステムです。そのため、ERPコンサルタントは単なるシステム導入の専門家ではなく、企業の業務改革や経営改善に深く関わることができます。クライアントの課題を解決し、企業の成長を支援できる点が大きな魅力です。

多様な業界・企業の課題解決に関われる

ERPは業界を問わず、多くの企業で導入されています。ERPコンサルタントは、製造業・小売業・金融業・IT企業など、幅広い業界の業務プロセスを理解し、課題解決に貢献することができます。異なる業界の知識や経験を積むことで、ビジネスの視野が広がるのも魅力の一つです。

IT×ビジネスのスキルを磨ける

ERPコンサルタントには、業務プロセスの知識だけでなく、システムの知見やプロジェクトマネジメント能力も求められます。ITとビジネスの両方の視点を持つことで、市場価値の高い専門スキルを習得できるのが魅力です。特に、SAPやOracle、Microsoft DynamicsなどのERPに精通すると、グローバルでのキャリアチャンスも広がります。

大規模プロジェクトを経験できる

ERP導入は、企業全体に影響を与える大規模プロジェクトです。導入には要件定義、システム設計、カスタマイズ、データ移行、ユーザー教育など、複数のフェーズがあり、プロジェクトの期間も長期にわたることが一般的です。こうした経験を積むことで、プロジェクトマネジメントや課題解決力が鍛えられ、キャリアアップにつながる点も魅力です。

高い専門性と市場価値

ERPは企業の根幹を支えるシステムであり、導入・運用には高度な知識と経験が求められます。そのため、ERPコンサルタントは市場価値が高く、専門性を活かして高収入やキャリアアップの機会を得やすい職種です。特に、グローバルで通用するERP(SAPなど)のスキルを持つと、海外案件や外資系企業での活躍も可能です。

長期的な関係構築とやりがい

ERPは一度導入すれば終わりではなく、運用・保守、改善を繰り返すことで企業の成長を支えていくシステムです。そのため、クライアントと長期的な関係を築きながら、継続的なサポートを行うことができます。導入したシステムが実際に業務効率化や経営改善につながったときに、大きな達成感を得られるのも魅力の一つです。



ERPコンサルタントの主な業務・働き方

ERPコンサルタントの働き方は大きく、以下の5つに分けられます。

業務分析・課題の特定

クライアント企業の業務プロセスを分析し、ERP導入の目的や課題を明確にする。

要件定義・システム選定

企業のニーズに応じて最適なERPソリューション(SAP、Oracle、Microsoft Dynamics など)を選定し、カスタマイズの方向性を決定。

システム導入計画の立案

ERPの導入スケジュールや導入プロセスを設計し、プロジェクトを管理。

ERPの導入・設定

ERPシステムの実装、業務フローとの適合調整、データ移行などを実施。

ユーザー研修・運用支援

クライアント企業の従業員に対し、ERPの使用方法を教育。
導入後の運用改善、追加カスタマイズの提案。

ERPコンサルタントの働き方

コンサルティング会社(SAPコンサルティング)
ERP特化のコンサルティング会社(SAPコンサルティング)
システム開発会社(ERPの導入・運用支援を提供)
事業会社の情報システム部門(自社ERPの導入・運用管理) など




ERPコンサルタントの今後・将来性

ERPコンサルタントの将来性は非常に高く、DXの推進やクラウドERPの普及により、多くの企業が業務の最適化を求める中でその需要は拡大しています。特に、AIやビッグデータ分析との融合が進むことで、ERPは単なる業務管理ツールではなく、経営戦略の中核を担う存在となっています。これにより、ERPの導入・運用支援を行うコンサルタントの役割は一層重要になっています。

また、グローバル市場での需要も高まり、多国籍企業や海外展開を目指す企業にとってERPは不可欠なシステムとなっています。英語力を持つERPコンサルタントは、海外案件や外資系企業での活躍のチャンスが広がるでしょう。さらに、ERPは導入後の運用・改善が継続的に必要なため、長期的に企業と関わることができ、安定したキャリアを築ける点も魅力です。

加えて、ERPコンサルタントとしての経験は、ITコンサルタント、PMO、DX推進担当、事業会社の情報システム部門、さらには独立コンサルタントとしての道も広がるなど、多様なキャリアパスを持っています。企業の成長を支え、経営戦略と深く関わることができるため、高度な専門性と市場価値を兼ね備えた魅力的な職種といえるでしょう。

ERPコンサルタントのSAPコンサルタント・パッケージ導入コンサルタントの違い

ERPコンサルタントとSAPコンサルタントやパッケージ導入コンサルタントは、どちらもERPの導入・運用を支援する役割を担いますが、対象とするシステムや業務範囲、求められる専門性に違いがあります。
おおまかな概要を以下の表にまとめました。

ERPコンサルタント 企業の業務改革を支援し、SAPを含む様々なERPの導入・運用を行う。経営戦略や業務効率化の視点を持ち、最適なERPシステムを提案する。
SAPコンサルタント SAP製品(SAP S/4HANA、SAP ECCなど)に特化し、導入・カスタマイズ・運用支援を行う。特定のモジュール(財務、購買、販売管理など)に深い知識が必要。
パッケージ導入コンサルタント ERP以外の業務ソフト(CRM、会計ソフト、SFA、人事システムなど)の導入を支援する。特定業務の効率化にフォーカスし、比較的短期間のプロジェクトが多い。
項目 ERPコンサルタント SAPコンサルタント パッケージ導入コンサルタント
対象システム ERP全般(SAP、Oracle、Microsoft Dynamics など) SAPのERP製品(SAP S/4HANA、SAP ECC など) CRM、会計ソフト、SFA、HRシステムなど
業務範囲 企業の基幹業務全体を統合し、システム最適化を行う SAPの特定モジュールを活用し、企業の業務を支援 限定された業務領域(会計、営業、人事など)を改善
対象企業 中小企業~大企業まで幅広い 主に大企業やグローバル企業 中小企業や特定業務を効率化したい企業
専門性 業務プロセスとERPシステム全般の知識 SAP製品の知識(モジュールごとに専門性が異なる) 各パッケージソフトの機能・設定知識
プロジェクト規模 大規模(全社導入・統合プロジェクト) 大企業のERP導入(長期間のプロジェクトが多い) 小~中規模(特定業務の導入が中心)
導入期間 数カ月~1年以上 数カ月~1年以上 数週間~数カ月
求められるスキル 経営戦略、業務プロセス設計、プロジェクト管理、ERP知識 SAPの専門知識、カスタマイズスキル、モジュール知識 業務システムの設定・運用スキル、業務プロセス理解
キャリアの広がり 経営コンサルタント、DXコンサルタント、ITコンサルタント SAP専門コンサルタント、グローバル案件のPM システム導入コンサル、ITサポート、業務改善コンサル
市場価値 ERPの知識を活かせるため高い SAPは世界的に需要が高く、特定スキルを持つ人材は高待遇 需要は安定しているが、特定の製品に依存する傾向あり

まとめ

ERPコンサルタントは、企業全体の業務最適化やシステム導入をリードする役割を担い、幅広いERP製品を扱う汎用的なコンサルタントです。一方、SAPコンサルタントは、SAPの製品・モジュールに特化し、高度な専門性を活かして大規模プロジェクトに関与します。また、パッケージ導入コンサルタントは、ERP以外の業務システムを導入し、特定業務の効率化を支援する役割を持ちます。

それぞれの違いを理解し、自身の興味やキャリアビジョンに合ったコンサルタントを選ぶことが重要です。

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