ライズ・コンサルティング・グループ ハンズオン・コンサルとは?

企業インタビュー

今回は、株式会社ライズ・コンサルティング・グループの取締役パートナーである甲斐様と佐藤様に、「ハンズオン・コンサルタント」というキャリアの面白さについて、オンラインセミナーで語って頂きました。

  • ――司会:それではライズ・コンサルティング・グループの紹介をして頂きます。

甲斐:弊社は「Produce Next」というミッションを掲げています。創業が2012年と震災の直後であり「日本の再生」という言葉を使っていますが、先端技術の進化によるディスラプションや、コロナによる環境変化の中でも、企業の次の一歩・未来を作ることに貢献したいという意味で、現在でもこのミッションは継続しています。
主なサービスラインは大きく「NewTech」、「新規事業」、「業務改革・IT基盤の変革」の3つに分けられます。「NewTech」は、AI、IoT、ブロックチェーン、ロボティックス、データサイエンス、データマーケティング等の先進的な技術をビジネスにどう活かして会社を成長させるのかを扱います。具体的な案件としては、後述する「ブロックチェーンを活用したグローバルプラットフォーム事業の立ち上げ支援」や、AI導入におけるPOCの実行を推進した「AI画像認識を用いた自動車事故査定の一部自動化支援」等があります。AIやRPAを使った業務の自動化・効率化では、実際に効果が出るまで伴走する、という点が特徴です。「新規事業」は「NewTech」と重なるところも多いですが、ディスラプト、キャッシュレス等の最近の動きに沿ってどんな新規事業をやっていくかを、構想・プランニングの段階から事業立上げまで一貫して支援するケースが多いです。「業務改革・IT基盤の変革」では、基幹システムオープン化の全体PMOや、IT中長期戦略立案等の支援をしています。

弊社の大きな特徴は、「Hands on Style」、「Scopeless」、「More than Reports」です。
クライアントにとっての一番の価値は、自身だけでは出来ない「前に進めたいこと」を実際に進めることであり、そのためなら何でもやるというのが弊社のスタイルです。
また、状況が変わった時に最初に決めたスコープに拘らずに柔軟に対応していく、分厚い報告書ではなく物事を前に進めていく、ということも非常に大事にしています。
加えて、業界は幅広い業界に対応しておりますが、業界割の組織ではないので、コンサルタントが幅広い業界を経験できるところも大きな特徴の1つです。

甲斐 健太郎 氏 EXECUTIVE DIRECTOR,PARTNER

  • ――司会:ではここで先程紹介した「ブロックチェーンを活用したグローバルプラットフォーム事業の立ち上げ支援」について実際に担当した佐藤さんから説明して頂きます

佐藤:このプロジェクトは3年以上ご支援を続けている案件で、戦略策定から実行まで細かく4つに分けて進めています。
「構想策定」では、クライアントの、ブロックチェーンでグローバルなプラットフォームを作りたい、というコンセプトに合わせ、既存の大きなシステム等をディスラプトするために、どのようなユニークな価値が提供できるか検討しました。「サービス具体化」では、コンセプトを実現し現状課題を解決し得るサービスの磨き上げや、ユーザの新たな収益源となる事業開発に貢献できるサービス等も検討しました。「ジョイントベンチャー設立」では、クライアント独力でこの事業はできないと判断し、この事業領域における日本のリーディング企業複数社とアライアンスを組んで投資をしてもらうべく、投資の意思決定に資する資料の作成や財務モデルの精緻化等を行いました。「事業立ち上げ」では、新会社の機動性とスピード感を伸ばずため、いかにフレキシブルかつ野心的に動けるのかの仕組みづくりをしました。
このプロジェクトに関しては、現在もご支援が継続中で、今後はこの新会社がきちんと売上を作って利益を残していけるようになるところまでご支援したいと思っています。

佐藤 司 氏 EXECUTIVE DIRECTOR,PARTNER

  • ――司会:それではディスカッションに入りたいと思います。まず今回のテーマでもあるのですが、コンサルタントのネクストキャリアにはどのようなものがあるのでしょうか

江口:コンサルのネクストキャリアは、大きく分けると「知見を活かして事業会社の経営企画に転じる」、「PEファンド等に移る」、「他ファームでコンサルティングビジネスを作る」の3つあると思います。それぞれの特徴について、お考えを聞かせて頂けますか。

甲斐:私は最初にBCGで3年程修行してから事業会社に行きました。事業会社では経営企画という立場で会社を動かす面白さはあるのですが、1つの事業、会社にどっぷり浸かることになりますので、良い面も悪い面もあります。良い面としては、戦略を描くだけではなく、実際に組織を作って人をアサインして動かしていき、その効果が出てくるのが肌感覚でわかるという点です。悪い面としては、自分が対応できる幅が狭まってきてしまう点で、4-5千億くらいの規模の企業グループ全体の経営企画では、現場との距離が離れて事務局的な動き方になり、物事を動かしていくという感覚は薄れてくると感じました。
コンサルティングファームで様々な案件をこなしながら、事業会社で物事を動かすのと同様の面白みがある職場はないかと思う中で弊社と出会い、今それを実現できています。

江口:同じ質問を佐藤さんにもさせて頂いてよろしいですか?

佐藤:簡単にいうと事業会社はサステナブルだったと思います。自分は5年位しか在籍しませんでしたが、ここだったら10年20年働く人がいるのも納得できるな、と思っていました。それは労働時間であったり、ビジネスモデルがすごく強かったりと、そう簡単には売上も落ちないし利益も上がってくる、というような安心感があるからこそでなのすが、私にとっては平和過ぎました。一方で、弊社以外にもいくつかのコンサルティングファームで働きましたが、平和とは真逆の常に変革や破壊に携われて楽しい反面、なにしろハードワークでこの仕事を50歳60歳になってもできるかと考えると絶対無理。なんでこんなに面白い仕事なのにサステナブルじゃないのだろう、と常々思っていました。
弊社に来た理由の1つは、極めてサステナビリティが高いという点にあります。ワークライフバランスを良くして、せっかく楽しい仕事なのだから着実に成長して長く働こう、という環境があるので、サステナビリティと仕事の醍醐味が両立します。

江口:サステナビリティについて、甲斐さんも同様に感じますか?

甲斐:私としても弊社に来て驚いたのが、残業時間が平均30時間程ということです。コンサルティング会社でそんな訳はないだろうと思っていたのですが、実際に入ってみると本当でした。1つの理由は先ほどご紹介した「More than Report」という考え方かもしれません。クライアントの課題を前に進めるにあたって、大量のスライドを書くことは必ずしも必要ではなく、本当に必要なのは数枚から十枚程度の資料で、それをもって物事をしっかり前に進めることができれば満足して頂けます。結果、クライアントにご満足頂きながらメンバーのワークライフバランスも実現でているのだと思います

江口:「More than Report」の他に、「Scopeless」も御社の大きな特徴ですよね

佐藤:私は「Scopeless」という言葉がすごく気に入ってライズに興味を持ちました。一般的なコンサルティングファームは契約段階でスコープを握るため、機動性に欠けます。一方で特に私が担当しているような「新規事業」というのは日々環境が変わります。リソースは有限ですから、状況が変わる度に課題を洗い出して、優先順位の高いものに切り替えていくやり方をするからこそ、新規事業領域でも価値が出せています。

江口:「Scopeless」という観点だと、ターンアラウンド型のファームや、PEファンドからの依頼でCxOとして入るという立ち回り方が近いかと思うのですが如何でしょうか?

佐藤:前職まででターアラウンド等もやったことがあり、確かに近い部分はあるかもしれません。一方、私の主観も入っていますが、ライズは「Produce Next」をミッションにしていることもあり、基本的に次に繋がるような前向きな案件、新規事業や成長戦略を扱い、撤退や再生のような後ろ向きな案件はないということが大きな違いです。

江口:甲斐さんは如何ですか?

甲斐:私もファンドの投資先に経営企画として入っていったことがあるのですが、幸いその会社は利益体質で、いかにもっと伸ばすかというバリューアップの前向きな仕事が多くて楽しかったです。そこでやっていたことと今ライズでやっていることは非常に近いです。しかも色々な会社でこのテーマに携われるので、さらにエキサイティングです。

江口:お話頂ける範囲で現在進行中のエキサイティングな案件を教えてください。

佐藤:最近は、「ニューノーマルで環境が変わり、今までのやり方が通用しない」と悩まれている企業が多いので、ポストコロナでのディスラプトや、ポストコロナで加速できるような事業の検討に夢中になっています。例えば、今私達もZOOMを使ってミーティングをしていますが、営業のオンライン化によってこれからの営業は2つ大きく変わっていくと思われます。1つは地理的な制約がなくなること、もう1つは簡単にトレースができて記録がとれることです。東京と沖縄でも瞬時にアクセスできますし、どういう商談の進め方をするとうまくいくのか、というベストプラクティスの抽出も商談の記録からできるようになります。このような案件に携われるのがライズとしての醍醐味だと思っています。

江口:ハンズオンと通常のコンサルティングとの違いについて教えてください。

甲斐:大きいのはクライアントとの距離感だと思います。1週間1回の定例ミーティングでご報告し、ご納得頂いてまた1週間後にという進め方ではなく、ハンズオンコンサルの場合、毎日やりとりをしながら進めます。

佐藤:新卒や若いうちにコンサルティングファームに入ると、だいたい上司から「お前は現場感がない」というフィードバックを受けます。現場感とは、事業会社で事業会社の仕事をしていく中で感じるような気持やリアリティーですが、幣社で仕事をすると、そこにすごく強くなれます。また、ハンズオンスタイルでは「クライアントが成果を出すために必要なこと」-「クライアントが独力ではできないこと」が仕事のスコープになり、クライアントとコンサルタントが担当する部分に明確な線引きがないという特徴もあります。

江口:御社のキャリアパスについても教えて頂けますでしょうか

甲斐:まずはプロジェクトに関してですが、弊社にはメンター制度があり、本人の希望するプロジェクトを声が吸い上げられる仕組みになっています。最近では、本人が望まないプロジェクトに長期アサインされて退職するようなケースはありません。
昇格に関しては、「次のステージがその人の成長を加速させる」という考え方に基づいて昇格をしています。業界未経験の4年目の人が3回昇格してシニアマネージャーになった例や、他ファームで2年経験してから弊社に転職し4年間で3回昇格してシニアマネージャーになった20代の人もいます。成果さえ出せば昇格はかなり早いです。

佐藤:弊社の平均年齢は29-30歳くらいと非常に若い会社で、年齢ピラミッドもポジションのピラミッドもバランスがよい状態なので、実力を示した人は昇格のチャンスが非常に大きいという特徴があります。その結果として20代後半のマネージャーや30代前半のシニアマネージャー、また30代半ばのパートナー・役員という人が普通にいる会社です。

江口:今後コンサルティング業務はどのように変わっていくのでしょうか?

佐藤:これは完全に私の主観なのですが、データに基づいて論理的な意思決定をするというとことは遅かれ早かれAIに代替されると思います。その中で人間のコンサルタントがやるべきことの一つは主観的な意思決定の支援、つまりデータが不十分というときの判断です。新規事業などではよくあるのですが、未来の市場を作ろうとか真新しい市場を見ようとなると、もう統計データは存在しません。その中でどうやって判断するかと言えば定性情報や将来はこう変わるであろうという人の見立てだと思います。もう一つはモービライゼーション、人・組織を動かすという意味です。人・組織を動かすためには論理・感情・政治の3つで考えるのが基本です。論理はAIで考えられますが、AIが感情や政治のところまでクライアントの支援をするのにはまだ数十年かかると思っています。なので、この2つの領域が今後のコンサルティングの主戦場になるのと個人的には思っています。

甲斐:私もどうなっていくか、というよりもどうなって欲しいかということなのですが、何かを教えてくれる先生とかアドバイザーという位置づけでなはく、一緒になって物事を動かしていく仲間という位置づけ、クライアントから仲間と思って頂けるようなサービスを提供できる、そういう業界になっていって欲しいと思っています。

江口:甲斐さん、佐藤さん、有難うございました。最後にライズ・コンサルティング・グループがどういう方を求めているかについて甲斐さんから説明して頂きます。

甲斐:はい。現在求めている人材としては、Produce Nextというミッションに共感を頂きつつ、与えられるものをこなすのではなく、自分でやりたいことをライズで実現していこう、というマインドセットを持っている方です。加えて、クライアントとの距離が近いので、通常コンサルタントに求められるロジカルシンキングや思考スピードに加えて協調性というものを重視しています。弊社ではNewTechという非常に先端的なプロジェクトに挑戦できますし、上場を目指すという中で会社としての重要な施策にも取り組めます。また、若手が中心ということで非常に風通しのよいフラットな組織で働ける会社です。
大手コンサルティングファームと比べて、インダストリーやソリューションによる区切りがないワンチームなので、大手ファームで限られたインダストリー、限られたテーマでやっていることにモヤモヤしていて弊社に転職された方も多いです。幅広く自分のスキルをアップしていきたいという方の募集をお待ちしております。

甲斐 健太郎(K.KAI) 氏
EXECUTIVE DIRECTOR,PARTNER / 株式会社ライズ・コンサルティング・グループ
国際協力銀行、ボストン・コンサルティング・グループを経て、 PEファンド投資先の製薬会社、ベネッセ・ホールディングス、 ベルリッツ・ジャパンと、事業会社3社の経営企画業務に計9年従事の後、 ライズ・コンサルティング・グループに参画。 戦略策定・実行、経営管理、PMI推進、人事制度等制度改革、 構造改革PMO運営等のコンサルティング及び実務経験多数。

佐藤 司(T.SATO) 氏
EXECUTIVE DIRECTOR,PARTNER / 株式会社ライズ・コンサルティング・グループ
ローランドベルガー、コンサルティングベンチャーの立ち上げメンバーとして、戦略立案から実行まで一貫して支援。 小売業、製造業、エネルギー、金融等多くの業界・テーマでの知見を持つ。 ライズ・コンサルティング・グループ参画後は、新規事業戦略案件、海外進出戦略、ビジネスモデルの刷新、中期経営計画等の戦略コンサルティングを担当。

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