1. コンシューマビジネスのコンサルティングユニットについて
今日はIndustryの中で、コンシューマビジネスを相手にしたコンサルティングユニットについて解説していきます。コンサルティングファーム各社では「CB」や「リテール」などと呼ばれることが多いですが、CBというワードが入っているとこの分野であることが多いです。
2. コンシューマビジネス業界の概要
この業界はざっくりと消費財メーカーや小売業、流通業などが該当します。要するに「個人を動かして商品を買ってもらったりサービスを受けてもらったり」することでビジネスを成立させる業界です。顧客になるのは「CMをガンガン打って一般消費者の認知を得てナンボのビジネス」をしている企業で、一般的にメジャーな企業が多いのが特徴です。
3. 業界が向き合うテーマ
カスタマーエクスペリエンスの大変革
特定の場所に大量の人を集めて顧客体験を提供する「コト消費」が、コロナの影響で一気にできなくなりました。ニューノーマルと言われる世の中で、「対面で提供していた価値」をいかに非対面の世界で提供するかが課題です。EC、CRM、デジタルツインなどのテクノロジーを用いて「顧客体験の再定義や再構築」を進めていく必要があります。
コンシューマの把握
昔から不特定多数の「コンシューマ」という存在を把握するためにマーケットリサーチを行い、仮説を立ててそれに基づくメッセージを届けるマーケティング活動が行われてきました。価値観の多様化、可処分所得の変動、デジタルネイティブ世代の拡大など、外的要因が増え、コンシューマの把握がさらに難しくなっています。幸いにもIT技術が発展し、POSやポイントサービス、RFIDなどを使ってデータを取得し、コンシューマの行動を把握する方法が増えています。
レガシービジネススタイルの変革
基本的に消費財のビジネスは「問屋に卸し、小売業が売る」というモデルが主体です。原料を世界から仕入れ、工場で生産し、物流網で流し、問屋に卸して販売するというスキームは数十年前から変わっていません。食品ロス問題やプラスチックリサイクル、SDGsに基づく「持続可能な調達」、ロックダウンリスクを踏まえたサプライチェーンの再構築、古くなった生産設備の改築および脱炭素など、取り組むべき課題が山積しています。
4. インダストリーコンサルタントに求められる経験とスキル
マーケティング・CRMツールの活用経験
広告代理店などでユーザをつかむための施策を企画してきた経験や、CRMツールを使った顧客分析、ロイヤルカスタマー化のための施策推進経験が求められます。Functionコンサルタントでいう「CRMコンサル」「マーケティングコンサル」との親和性が高いです。
サプライチェーンマネジメント経験
消費期限が短いものを扱うため、冷凍・冷蔵物流や適正在庫の管理などの生産管理に関する知識が重要です。Functionコンサルタントでいう「SCMコンサル」との親和性が高いです。
俯瞰的な視座での経験
ジョブローテーションで複数の組織を渡り歩いた経験や、事業企画・経営企画部門での課題解決経験が求められます。インダストリーのコンサルタントはテーマ問わず広く向き合う要素があるため、特定領域の専門性だけでなく、幅広い視野で課題に対応できる力が必要です。
5. まとめ
コンシューマビジネスのインダストリーコンサルタントは、知名度の高い企業の課題解決に携わることができるため、非常にエキサイティングなフィールドです。以下のポイントを活かして、この領域での活躍を目指しましょう。
まとめポイント
- カスタマーエクスペリエンスの大変革
- コンシューマの把握
- レガシービジネススタイルの変革
求められる能力や経験
- マーケティング・CRMツールの活用経験
- サプライチェーンマネジメント経験
- 俯瞰的な視座での経験
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