スカイライトコンサルティング

 

極めて高いリピート率を誇る伴走型のコンサルティングサービスを提供するスカイライト コンサルティング株式会社。その原動力は、徹底した顧客志向の経営と自主性を重んじた独自の組織文化にあります。今回は創業メンバーである取締役中澤竜馬氏にお話を伺いました。

スカイライト コンサルティング 取締役 中澤竜馬 氏

大手外資系ファームを経て、2000年に志を同じくする仲間とスカイライト コンサルティングを設立。主に、通信、メディア、ITサービス産業における新規事業戦略立案、サービス設計、デジタル化推進、経営強化、IT活用・導入支援等のコンサルティング案件をリード。投資会社と連携した成功報酬案件やインド子会社の設立・運営も手掛ける。

 

創業からこだわる「徹底した顧客志向」が特徴

――スカイライト コンサルティングが提供するコンサルティングサービスについて教えてください

クライアントには、日本を代表するような大手企業様も数多くあり、企業規模の割合としては大手企業が全体の5~6割です。また、成功報酬型や出資も駆使して、中堅・ベンチャーに対するコンサルティングも手掛けているのが弊社の大きな特徴です。中堅企業の全社改革のご支援も多く、設立間もないベンチャー企業を支援することもあります。最近では、創業者から引き継いだ事業をさらに成長させる事業承継案件や、海外での新規事業立ち上げにも注力しています。

 

特徴としては、徹底した「顧客志向」にあると考えています。弊社は「顧客の成功を創造し、顧客と成功体験を共有する」という経営理念があります。クライアントの企業規模や産業、テーマに関わらず、ご相談を受けた段階から、提案、プロジェクト遂行まで一貫して「それはお客様のためになるのか?」を重視してコンサルティングサービスを提供しています。ご相談をいただいた段階では、お客様自身に“課題感”はあるものの、依頼内容が明確ではないことが多々あります。そうした場合、ご相談の背景をヒアリングして、本当に解決すべき課題の深掘りとゴール設定までのすり合わせを充分に行ってから、最初のご提案をすることになります。

 

例えば、中堅企業の「基幹システムの刷新をするので支援して欲しい」というご相談の場合、直接的なきっかけは「システムの保守期限が迫っている」「ベンダーの提案が妥当か判断できない」ということが多いのですが、その背景には、解決したい経営課題がある場合がほとんどです。そのためシステムの刷新の話の前に、企業様の経営環境の変化を踏まえ、この機に解決すべき課題と実現したいことは何か?について、社長をはじめとする経営層と見定める討議から始めます。

 

“実現したいこと”をもとにソリューションやベンダーを一緒に選び直すこともあります。中堅企業ではコンサルティングサービスを受けたことがなかったり、時にはコンサル嫌いの経営者様もいらっしゃいます。それでも丁寧に討議を重ねていくと、プロジェクト終了後には「コンサルティングのイメージが変わった」と、次から次へと新しいテーマをご相談される関係になることもあり、コンサルタント冥利につきます。

 

ご提案はすべてお客様の課題に応じたカスタムメイドで、どれ一つとして同じ提案はありません。弊社には、営業のみを行う営業専任はおらず、お客様の課題解決に取り組むマネジャー以上のコンサルタントが、引き合い時の往訪から、ご提案、プロジェクトの実行の最後まで責任をもって担当します。弊社では売上ノルマを課していないので、自身の営業成績を優先して無理な提案をすることなく、“あくまでお客様のための成果を出すため”に必要な提案をします。

 

プロジェクトの遂行は、お客様に寄り添い「協働」するスタイルで進めます。関係者と目標を共有し、同じ方向を向いて困難にも一緒に立ち向かうスタイルは、クライアントや関係者と伴走するイメージです。お客様からは、「これまでのコンサルティングファームは机の向こう側に座っている印象を受けたが、スカイライトさんは机のこちら側に座って同じ方向を向いてくれる」と言われたことがあります。弊社のサービススタンスをうまく表現していただいたと感じました。

 

一例として、新規事業の立ち上げに取り組まれ、戦略ファームの支援にて「事業ドメイン」や「サービスの方向性」までは決定したものの、そこから先のサービス設計・導入までを自社でやりきれず、弊社にご相談されるお客様がいらっしゃいました。サービス設計段階では、既存事業との競合やシステム制約等で当初の想定通りの事業展開ができないことが多々あります。実際にサービスのトライアルをしてみたところ、お客様の反応が想定と違い、方向転換や路線変更が必要になっていました。

 

このような場合に、自社の提供サービスや契約範囲にこだわるスタンスだと、計画や当初の想定とのズレにうまく対応できません。弊社では「顧客の成功」を第一に考え、大きな目標達成のためには、途中の細かい変更については柔軟に対応することもあります。現場でのコンサルタントの判断を尊重し、このケースでもうまく進めることができました。

 

定期的に実施している「お客様満足度調査」を通じて、サービス品質をコンサルタントの個人任せにせず、会社として品質確認をすることにも取り組んでいます。コンサルタントの評価にもお客様の満足度を反映し、プロジェクトの成果や貢献をお客様の声としてコンサルタントにフィードバックすることで、経営理念にある「成功体験の共有」につなげています。

 

――今後の御社の事業展開はどのようにお考えでしょうか?

今後10年を見据えたビジョンとして、海外進出の企業支援や海外現地でのご支援などグローバルに貢献できる会社、そして引き続き、コンサルティングの枠にこだわらず、多様な形でクライアントの成功に貢献できるパートナーになることを目指していきます。

 

スタートアップへの投資と人的支援を同時に行い、ともに企業価値の向上を目指す、という取り組みも継続していきます。今後は海外ベンチャーと日本企業の協業など、グローバル・オープンイノベーションの推進を積極的に進めていきます。コンサルティングフィーを頂いて行う課題解決のご支援に留まらず、パートナーとして一緒に実行していく案件はますます増えるはずです。

 

コンサルティングを通じた事業推進力に加え、JV、資金&資本政策も絡めたケイパビリティを強化していく必要があるでしょう。

 

ユニークな挙手制のアサイン制度。「自主と規律」を両立する「自ら選び、選ばれる」組織体制

 

――スカイライト コンサルティングの組織について教えてください

コンサルタントは、幅広いテーマに取り組む「コンサルティング本部」か、特定のテーマを志向するチーム制の「ビジネスユニット」のいずれかに所属します。

 

ビジネスユニットは複数ありますが、どのユニットもコンサルタントの意思で作られたチームで、会社からの指示ではありません。リーダーがやりたいことを表明し、チームに加わる意義を掲げてメンバーを募ります。一定のメンバーが集まり、合理性のある計画を提示できればビジネスユニットとして承認されます。リーダーシップとは、上に対してよりも下に付くメンバーに対して発揮するもの、という考えから設計しました。

 

独立採算制で裁量権を持って運営できる代わりに、持続可能な収益性の確保が必要になります。説明責任と結果責任を負ってもらうことで、「自由と規律」を担保しています。所属するメンバーは、コンサルティング本部で多様な案件の経験を積んだ後、一定以上のクラスになれば、ビジネスユニットへの所属を希望することもできます。

 

――アサインメントの特徴としてはどんなことがあるでしょうか

弊社では、コンサルタントがどのプロジェクトに従事するか(アサインメント)を決定する際に、「挙手制」を導入しています。

 

多くのファームでは、アサインメントは会社の判断によって決まります。経営側としては、機会損失を防いで効率高く運営するために当然といえます。一方、コンサルタント側からすると、自分の意思が表明できない場面も出てきます。そこで弊社では、それぞれの価値観とキャリアプランに基づき、「今、どのお客様のどんな課題に向き合いたいか?」という各コンサルタントの主体性を重んじてアサイメントをするために、「挙手制」を導入しました。

 

すべての案件において、“誰”ではなく、“どんな人材(スキル・経験・意欲)が必要なのか?”を開示するルールとし、すべてのコンサルタントに「機会の公平」を担保しています。プロジェクトの意義に共感し、納得して手を挙げたプロジェクトでは、コンサルタントがエンゲージメント高く取り組み、高いパフォーマンスを発揮します。また、関心のあるプロジェクトにアサインされるために、コンサルタントは日頃から目的意識をもって学び、自分の貢献価値と能力(意欲含む)を説明する術を磨きます。

 

アサインする側のマネジャーは、プロジェクトチームを組成する上で、自分のプロジェクトや顧客の成功が社会にとっていかに重要で、このプロジェクトに関わることがコンサルタントのキャリアにとって魅力的でやりがいがあるものかを説明し、共感を得ることが求められます。実は、このことがプロジェクトにおいて、多岐にわたる関係者をリードして推進するためにも重要な意識・スキルであり、結果的にマネジャーの能力も伸びていきます。

 

このアサインメント制度は、単に「好きなプロジェクトを選べる」ということではなく、社内のアサインメントに市場メカニズムを導入することで、コンサルタントとマネジャー双方がエンゲージメント高く取り組み、顧客に高い成果を出すための仕組みなのです。

 

――とてもユニークなカルチャーに基づいた仕組みですね。

「コンサルタントそれぞれが自分の意思で決めること」を大事にしています。経営層が指示するのではなく、各人が自主的に行動することを支えるプラットフォームになっています。

 

自主的なカルチャーの一例として、他には、自主勉強会として“ゼミ”が開催されています。企画するテーマにはDXや最新のIoTといったものだけではなく、グローバルビジネスを行う上で『世界史を学ぶ』といったものもあります。これも、社員が自主的に行っている活動です。会社からは、最初の懇親会費用援助としっかり活動したら表彰する、という緩やかな支援で社員の自主的な学びを後押ししています。

 

自分の頭で考え、人間的影響力を持つコンサルタントが活躍

――どのような方がスカイライト コンサルティングで活躍していますか?

顧客の成功にコミットし、変化する環境のなかで柔軟に対応して、関係者と協働しながら推進していくことが求められます。会社が定めたサービスフレームワークや、過去の実績や経験に基づく知見を提供するだけではなく、悩みを持つ顧客に寄り添い、企業個別の課題に向き合い、その背景に思いを巡らせ、顧客の成功に向けて自分の頭で考えられる方です。

 

また、会社でのポジションや決定権ではなく、目的と意義から人を動かすことのできる、人間的影響力をもつ方が活躍しています。

 

総じて、会社のブランドではなく、自身が“商品である”という感覚を持っています。良い仕事をすることにより、指名で“次の相談をしていただく”ということをモチベーションに感じる方も活躍人材の特徴と言えるでしょう。

 

また、先ほどお話ししたように、最近は特定の経営課題を解決するコンサルティングに限らず、支援内容が多様化しています。出資したベンチャー企業やクライアントとの共同事業にて、出向という形で長期的な支援をすることも増えてきました。そこでは、支援というよりも、当事者としてより多くの関係者と協働・推進していくことが求められます。クライアント企業の担当部門や関連する事業部に閉じず、時に新規開拓したい(顧客の)顧客企業や株主まで、弊社コンサルタントが出向いて説明や承認を得る、といった活動までしています。

 

――上記のような人材を採用するために、面接の中で見ているポイントを教えてください

コンサルタントとして活躍するために必要となる思考力や説明能力と同じくらい、未来に対する考え・志向が弊社と同じ方向かどうかを見ています。

 

入社後に活躍できるかは、「顧客の成功を第一に考えられる姿勢を持っているか?」が重要です。顧客の成功のために自身が成長しなければいけない、という意味での成長意欲も大事にしています。

 

――最後に一言、メッセージをお願いします。

弊社のコンサルティングは顧客に近い立場で支援し、最後に顧客から「あなた方がいなければ出来なかった」と握手されることを最高の報酬と考えています。顧客への価値を提供できれば、実感できる環境があります。

 

また、「自ら選び、選ばれる」という組織体制と自主性を重んじるカルチャーがあるので、主体的にキャリアを形成したい方には良い環境だと思います。

 

コンサルタント未経験の方に対しては、半年間の研修期間を設けています。1ヶ月の就業研修にてコンサルタントとしての基本を学び、次の2ヶ月では社内プロジェクトに参加して実践的に学ぶ。その後2〜3ヶ月のプロジェクトでのOJTを経て立ち上がっていきます。

コンサルティング会社としては手厚い受け入れ体制を用意してますので、是非扉を叩いてみてください。

 

聞き手:インフォエックス 代表取締役 朝雄 弘士